その人の顔をじっと眺める。
言葉なんて、何一つ必要ないと思う。
時々、「破顔」という言葉がとても似合う、顔をくしゃっとして、笑う。
もう、それで良いと思う。
あなたの人生の端緒が、あなたの一挙一動から、推量される。
グラスを口につけたり、タバコを指に挟んだり、お皿を洗ったり…
だけど、ぼうっとどうしようもない感じで、佇んでいるあなたのその姿から
何もかもが、剥き出しに、開いている。
暗すぎる影が、刻まれている、あなたの顔。
だけど、底抜けのオプティミズムが、あなたを支えている。
一体、あなたは何をそんなに、じっと耐え忍ぶように見つめているの?